学校現場における良い教師の結末、過労死の実態

学校・教育

夏前にかけて、どの職場でも「このままでいいのか?」と考え始める人が増えてきます。人間関係、職務内容、理由はさまざまありますが、悩みながらもその仕事を続ける人がいます。学校現場でも仕事の悩みを抱えている人がたくさんいますが、その多くが業務の多さに悩んでいます。俗にいう過労死ラインというものを超えて、ひたすらに働き続ける人が毎年教職から離れていきます。過労死ラインとは、病気や死亡に至るリスクが高まる時間外労働時間のことを言いますが、法的には病気や死亡、自殺が労働に起因するものだと認定する基準のことを指しています。過労死ラインという言葉はありますが、いまだにその問題が解決していないのが現状です。今回は過労死ラインを無視して働き続けた結果、どうなってしまうのかお話しします。

良い教師とは

学校現場では、良い教師というものが存在します。良い教師の行動パターンは以下の通りです。

基本的に残業する

自腹を切る

休日出勤は当たり前

朝早く出勤する

何事にも時間をかける

文句を言わない

これらが良い先生の特徴です。基本的には言われたことを忠実にこなし、自分のプライベートの時間を割いてまで教育に没頭する人が【良い教師】と言われます。この行動パターンを繰り返していると、過労死ラインを簡単に超えてしまいます。

現場の認識

過労死ラインという言葉は知っていても、現場では過労死ラインに対してさほど問題意識を持っていません。そのため、先ほど述べた過労死ラインを簡単に超えるような無茶な働き方をしている教師のことを【良い教師】と評価するのです。

一方で、与えられた仕事の内容を淡々とこなし、時間通り定時に帰るような教師を【悪い教師】と評価します。なんのために教師になったんだ、と批判することもあります。このような現場の風潮が、過労死を加速させているのかもしれません。

現場を離れる若者

このような現場で、新卒採用された若者はどんどん教職から離れていきます。毎年一人は必ず離職か休職をしますし、常に現場は人手不足です。そんな中教員採用試験の倍率も低下し、新年度からの人手を確保することも危うくなってきました。現場の先生方の負担はますます増加し、教員の労働について見直していかなければ手遅れになるでしょう。

悲しいことに、未来ある先生が授業中に脳梗塞で倒れてそのまま亡くなってしまうという事故がありました。はっきりとした原因はわかりませんが、いつも遅くまで学校に残って仕事をする先生で、過労死ラインをかなり超えていたそうです。当たり前のように残業をし、当たり前のように体を酷使したことが原因ではないかと思われます。身体を酷使すれば、いずれ限界がきます。この当たり前のことを現場の教員が周知していれば、事故が起きる前にこの先生を救えたかもしれません。

悪しき風習

日本では、長時間仕事をすることを正義としています。そのため、仕事が終わっているのにも関わらず、周りが帰宅していないからと現場に残りがちです。これが過労死の教員を増やす要因になっています。仕事を長くすることが正義ではなく、与えられた仕事をこなし、自分の体もきちんと管理できるのが本当のプロです。自分の体が限界にきているのであれば、無理をせずに休めるような労働現場でなければいけません。

まとめ

今の教育現場は、先生方の自己犠牲のうえに成り立っています。しかしそんな労働は長くは続きません。むしろ過労死が出ている時点で崩壊しています。そのことに気が付き、教員全体で異常に気が付かなければ環境は変わりません。周りに同調する必要はありません。おかしいと思うならば無理をせずに自分の体を優先させましょう。いつまでも周りの顔色をうかがっていては何も変わりません。どうか、教員という仕事に縛られ過ぎないでください。命よりも大切なものはないのです。

tami
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