育休の男性教員、漫画出版は憲法違反?

お金

SNSでも話題になっていた、男性教員の育休中の奮闘を描いた漫画が、書籍化されないことについて物議をかもしています。男性教員は、二人の子どもを持つパパ。職場で育休を取得し、Twitterやブログで子育ての様子を男性ならでの視点で公開しています。イラストで描かれた経験談には、多くの人から注目が集まり、Twitterのフォロワー数は9万人に迫る勢いです。昨年3月、そのブログが出版社の目にとまり、書籍化の誘いを受けました。地方公務員である公立学校の教員であったために、校長に本業以外の報酬を得ることについて相談すると、校長は漫画の内容からして問題ないと判断し許可を出しました。ところが教育委員会がそれを許しませんでした。校長を通じて「不許可」の連絡があり、漫画の書籍化を諦めなければいけない状況になってしまったのです。なぜこのようなことになってしまったのか。それは学校現場特有の仕組みにありました。

地方公務員

教員は地方公務員であるため、本業以外の報酬を得る場合には、教育委員会に兼業の許可を得る必要があります。しかし今回のケースではその許可がおりませんでした。

テレビで学校の先生が

出演してたりしますよね?

あれはどうして兼業として

認められているの?

兼業に関しては、明確に線引きがあるわけではないようですが、いくつかのハードルがあります。認められるための大きな要因としては、教育に関する事業などで教員の仕事に支障がないということです。憲法が定めている中で、公務員は「全体の奉任者」というものがあります。そのため、営利企業などに奉仕していると判断されると、なかなか兼業の許可は得ることができません。

不許可にするケースについては、大まかな基準を各学校に示しているようですが、今回の場合のように校長が許可を出して申請しても、教育委員会がNGを出すケースもあるようです。例えば、兼業に時間を割き過ぎて教員の仕事に支障が出たり、内容が公務員の信用を傷付け、一般市民の信頼を損なったりするような場合は認めないとされています。

塾のアルバイトなどは

こうした基準に引っかかる

可能性が高いです

全てが禁じられているわけではありませんが、代表的なものはいくつか決まってきています。例えば教科書の執筆、講演会の講師などです。専門科目を生かした兼業が多いですね。

例外的に、不動産相続で得た

アパートや駐車場の賃貸業

などもあります。

漫画出版は憲法違反?

今回問題とされるのは、男性の育休中の経験談を漫画にしたものを書籍化することが憲法違反になるかということです。今回の場合、男性の執筆時間は多くても週に8時間ほどで、教員活動に支障が出るとは考えにくい時間です。また、教員の長時間労働が問題視されている中で、漫画では育休を取得できる点や、男性の良い労働環境についても伝わってきます。決して公務員の信用を傷つけるような漫画ではありません。むしろ出版されれば、男性教員の体験が広く共有され、育児参加の意義を広める教育的効果も期待できます。

教育委員会の不許可に疑問を持った男性教員は説明を求めましたが、「マニュアルに沿って判断した」というなんとも納得できない文面のメールが届いたようです。確かに、こうした教員の表現活動に関しては、趣味ではなく兼業としてどこまで認めるか線引きが難しいところです。しかし、説明できない(説明になっていない)ものに対して、とにかくダメというのはあまりにも乱暴すぎます。

なんでダメなんですか?

「…ダメだから。」では

説明になっていませんね

世間からの理解

教育委員会のマニュアルというのはよくわかりませんが、ようは”世間からどうみられるか”というところが大きな要因のようです。例えば、国語の教員が小説を書いて出版するのを兼業として許可するかどうかは内容が重要になります。他にも、執筆や出版に至る経緯が”世間から理解されるか”というところを判断基準にしています。

今回の男性教員のケースは

世間からの理解”を得にくい

と判断されたのでしょう

男性教員は、今回の漫画に関していえば主に育休中に執筆をしていました。その分自身の経験をリアルに描いていると捉えることもできますが、「育休中に金稼ぎをするのか!」と考える人もいるでしょう。その部分を懸念しての不許可だと思われます。

専門家の意見

この問題に対して、様々な専門家が議論を広げています。教育評論家の尾木さんは、今の教員は兼業を認められるべき、と訴えています。他にも、男性教員が育休を取って子育てした経験を漫画で発信するのは、育児のジェンダーギャップ(男女格差)を埋める実践に当たるとして賛成の意を唱えました。

今回のケースは今後もありえます。その場合、教育委員会が兼業を認めない姿勢を強めれば表現活動の委縮につながりかねません。本来、教員には豊かな人間性が求められます。学校外の活動で活躍する先生というのは、教え子たちにとっても良い手本になるはずです。誰もが気軽に情報を発信できる時代です。確かに教員という立場を踏まえたうえで注意して意見を述べなければいけませんが、今後の流れも踏まえれば、教員の兼業について今より柔軟に認める方向で議論してもいいのではないでしょうか?一般企業であっても、兼業を認めている会社は多くあります。仕事に支障がないのであれば、自分のスキルを活かせる場所を複数持つことは認められるべきです。

まとめ

今回のケースでは、世間からの目を気にした教育委員会が不許可を下しましたが、きちんとした説明はありませんでした。説明で、世間の目が気になるから、とは言えませんしね。しかし、時代の流れを踏まえると、今後もある得るケースといえます。それに対して、「マニュアル通りに判断した」と言えるのでしょうか?時代が変われば働き方も変わる。そのことを考慮して、教員の働き方を考えていかなければいけません。今より柔軟に兼業を認めていく議論を進めてもいいのではないでしょうか?

tami
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