おしりに感じた少しの違和感と痛み。全てはここから始まりました。今回は私が【痔瘻(じろう)】と診断され(正確には肛門周囲膿瘍)、手術から完治までどのように過ごしたのかをご紹介していきます。
私の場合、人生で初めての入院だったので不安ばかりでした。不安を少しでも和らげるために、ネットで情報を集めましたが、自分の知りたいこと(お金・入院生活)について詳しく説明してくれているものがなかなか見つかりませんでした。そこで今回の私の体験をまとめ、痔瘻と診断されたけれどこれからどのように治療していくのか不安、と思っている方の不安が少しでも軽くなればと思い記事を書きました。
まず始めに確認しておきたいのですが、痔瘻は自然治癒することはありません(5才未満の乳児痔瘻は除く)。まれに自然に治った!と書き込んでいる方がいましたが、医師曰く、それは一時的に膿が排出されて症状が軽減している状態になっているだけだそうです。もしも現在痛みがあり、病院に行かずに市販の軟膏でどうにかしようとしている方がいたら即病院を受診して下さい。早く受診すればするほど完治も早く、後々面倒なことになりません。もう一度言います、自然完治はありません。市販の薬でどうにかしようとすることはハッキリ言って”お金と時間の無駄”ですので、素直に病院に行きましょう。
かくいう私も、市販の薬でどうにかしようとした一人でした。大抵の体調不良は市販の薬でどうにかしてきたし、病院に行っておしりを診てもらうことに抵抗を感じていました。しかし、今は病院にかかって本当に良かったと思っています。手遅れになる前に病院にいきましょう。
【※】痔瘻の治療については、膿のトンネルができた場所や進行具合、医師、病院によって処置方法が異なります。ここに書かれている内容は私の体験談であって、すべての方に当てはまる訳ではありませんのであらかじめご承知ください。
おしりの痛み
私は昔から痔持ちで、過去には出血が止まらなくて大病院にかかるほど”痔”とは長年の付き合いでした。そんな私からしたら、トイレの後の”少しの痛み”など慣れたもので、その日もいつものことだろうとあまり気にしていませんでした。

慢性的な切れ痔を
お持ちの方は、
痔瘻になりやすい
と言われています
しかし、翌日になってもおしりの違和感は無くならず、むしろ肛門周辺に痛みが広がっているように感じたのです。
家に残っていた市販の注入軟膏を塗りますがなかなか良くなりません。それどころか椅子に座るたびに顔をしかめるくらい痛みが激しくなりました。旦那さんが看護師なこともあり、すぐに病院に行くように勧められたのですが、私は”出血もないのに痔で病院に行くなんて大げさだよ、そのうち良くなるって”と楽観的に考えていました。
それから何日かして、激痛は治まったのですが、どうも痛みが無くなりません。しかもおしりを触ってみるとピンポイントで肛門のすぐ側に何かできているのです。これが痛みの原因だ、ということがすぐにわかりました。このまま放っておいても良くならない、市販の薬では限界があると感じた私は意を決して病院に行くことにしました。
この時、痛みを感じてから【15日】が経っていました。
近所のクリニック
スマホで家の近所にある「肛門科」を調べました。案外たくさんのクリニックがあり迷いましたが、そこは口コミで判断しました。やはり患者の生の声が気になりますよね。
余談ですが、病院を受診する時にいきなり”大病院”に行くことはおすすめしません。

大きな病院の方が
設備も整っている
だろうし、優秀な
医師も多いはず
こんなことを考えて大病院をいきなり訪ねると、会計時に予想以上の金額を請求されかねないからです。大病院の受付や会計の周囲には「初診時に紹介状をお持ちでない患者様は、“選定療養費”として○○○○円をお支払いいただきます」といった張り紙による告知がされていることもあります。

日本では、受診する病院を患者が自由に選べます。だからといって、大きな病院のほうが安心だからといった理由で軽症患者が大病院に押しかけたら、手術や化学治療など高度な医療を必要とする重症患者に、本来期待されている治療が提供できなくなる可能性があります。そこで、日常的な治療や慢性期の経過観察などは診療所や中小病院が受け持ち、大病院は専門的な治療に専念できるように、医療機関の役割分担を明確にしようとしているのです。
紹介状なしで大病院を受診した際の特別料金は、健康保険が適用されないので全額自己負担となります。これまでも、一般病床200床以上の病院は任意で患者に請求しており、料金は数百円から1万円前後と、病院によってかなり差があります。大学病院なら数千円はかかると考えておいた方がいいです。
可能であれば近くのクリニックで診察してもらい、症状が重いようであれば大病院を紹介してもらいましょう。ちなみに今回私が受診したクリニックでは初診+紹介状で【2800円】でした。
女医に診てもらいたい
お尻のトラブルに関しては、人に相談するのが恥ずかしい。という思いから痛みがあっても多少なら我慢するという方が多いです。同じように、病院にかかるのが恥ずかしいという方もたくさんいて、中には男性医師にお尻を診られるのが耐えられない、という女性の方もいます。
そういった場合は、病院の女性専用受診というものを活用してみて下さい。肛門科のある病院では、女性専用、女性医師による診察をしてくれるところがあります。他にも待合室が女性専用になっていたりするところもありますので、受診前にネットで検索してみることをおすすめします。
おしりについて検索
さて、受診する前に自分の状態についてある程度調べようと思い、”お尻 痛み”で検索していきました。大半は痔に関するものでしたが、その中でも一番治療が長引きそうなのが【痔瘻】でした。なんとなく自分の症状と似ているけれど、まさかこれではないよな?と思いながら初受診の日を向かえました。
次のページでは肛門科クリニックを受診し、大きな病院を紹介された時のことを話しています。
=== 痔瘻闘病記【目次】===
①痔ろう闘病記
②クリニックから大きな病院へ
③三度目の正直(入院費用の内訳)
④入院準備と手術準備
⑤手術本番
⑥手術後の入院生活
⑦痔ろうになりやすい人と予防法
【特別編】
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