いじめは犯罪、旭川女子中学生いじめ事件について

学校・教育

北海道旭川市の公園で、当時14歳の女子中学生が遺体で見つかった事件。先日、遺族の弁護団が会見を開き、遺族の手記を読み上げるとともに、経緯を説明しました。その内容について詳しく見ていきます。

事件の経緯

この事件は、2021年3月、旭川市内の公園で当時14歳の広瀬さんが遺体で見つかったものです。広瀬さんは中学校に入学後、複数の小中学生に囲まれる中、川に飛び込むという自殺未遂を起こし、別の中学校へ転校しています。旭川市教育委員会は「いじめの重大事態」と認定し、いじめがあったのか第三者委員会で検証を進めています。

複数の子ども達に囲まれ川に飛び込んだ事件後、携帯電話にいじめを受けていることを示す履歴があったことを学校に知らせたが、学校の対応はありませんでした。教頭からは「いたずらが行き過ぎただけで悪意はなかった」「加害者にも未来があるんです」といじめを否定されたそうです。

教頭の発言

この時の教頭の発言にもある、”加害生徒にも未来がある”という言葉についてですが、確かにその通りです。教育現場では生徒に対し、過ちを気付かせ、反省から学ばせなければいけません。しかしこの言葉を使っていいのは被害者側の人間だけです。未来は奪われた被害者またはその遺族だけが使える言葉です。決して他者が加害者を擁護するために使っていいものではありません。教育現場の管理職である教頭がなぜそんなこともわからないのか疑問です。こんな言葉が学校の先生から発せられたということが、同じ教育者として本当に残念でなりません。もしかしたら、文章の一部が切り取られているだけであったり、受け取り側の解釈の違い、言葉の独り歩きかもしれませんが、本当だとしたらありえないことです。

遺族の想い

遺族の手記には、「加害者の生徒たちには、人が死に追いやられることがあることを知って欲しい。いじめは相手に死を選ばせてしまうほどに心に深い傷を与える行為だということを知ってほしい」と心境をつづっています。目の前で自殺未遂という危険なシグナルを学校の先生が確認しているのにも関わらず、学校側はいじめを疑っていません。遺族との認識のずれがあまりにもひどく、これでは事件の真相を明らかにすることは難しいです。事件から半年が経とうとしていますが、事件が風化すると真相は迷宮入りしてしまいます。どうか一人の尊い命をないがしろにせず、きちんと事件と向き合い、真相を明らかにしてほしいです。

まとめ

悲しいことに、近年子どもの自殺は増えつつあります。警視庁によると、2020年は前年を25%上回る小中高生が自殺により命を落としていると発表しました。これは、1980年以降過去最多の数字。子どもの自殺は新学期に多くなる傾向があります。学校現場においても、新学期は生徒の体調を特に気にしながら業務に励んでいます。しかし,それでも悲しい事件はなお減りません。

⇨【子供の自殺が増えている】では、いじめの原因やその対処について、学校現場に勤めている立場からの目線でお話ししていますので、ぜひ参考にしてみてください。





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