コンビニ経営に手を出した夫婦の末路

資産運用

コンビニを経営している“オーナーさん”に対して、みなさんはどんな印象を持っていますか?店長よりもえらい立場にいる、売り上げが上がれば上がるほど懐に入る、そんなイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?しかし、実際のところはかなり厳しい”いばらの道”ということを知っていましたか?今回は、会社の倒産をきっかけに、夫婦でコンビニ経営を始めたAさん夫婦の話を参考に、コンビニ経営がどのようなものなのか見ていきます。

明るい未来

Aさん夫婦は、共働きで世帯年収が800万円を超える高収入家族でした。毎月の黒字が10万円ほどで、それに夫のボーナスを加えて年に400万円ほど貯金をしていました。かなり余裕のある暮らしであったと言えます。毎年きちんとお金を貯めて、ある程度めどがついたところでマイホームを建てることになりました。狭いながらも注文建築で土地付き一戸建ての立派な家を建て、兄弟や友達からも羨ましがられるような新築だったそうです。

そのままの収入を維持することができれば、住宅ローンの繰り上げ返済をすることもでき、夫の定年までには払い終える計算でした。ローン完済することができれば、老後は退職金や年金をまるまる自由に使える生活が待っている、そんな安定した未来を描いていたAさん夫婦に、ある日悲劇が起こります。 

夫の会社が倒産

他人からみたら順風満帆にみえるようなAさん夫婦に、思わぬ出来事が起こりました。Aさんの旦那さんが勤めている会社が経営不振により、倒産してしまったのです。倒産後も新しい仕事を探しますが、どこの会社も正社員雇用を渋り、転職活動は上手くいきませんでした。家と家族持ちで手当てを必要とする人に対して、面接すらしてくれない会社もあったようです。

倒産した会社から退職金がでましたが、そんなものは焼け石に水です。高い年収が続く前提で組んだ住宅ローンは、家計に重くのしかかります。残る道は家を売却することですが、ローン残額が多すぎて、たとえ売れても売却損がでることは目に見えていました。

新築の一戸建てに関しては

住んだ瞬間に価値が3分の1

になると言われています。

家を建てた時に貯金はすべて使い果たし、建築途中の思わぬ設備投資にそれぞれの両親からお金も借りていました。このままでは、半年もたたないうちに家計が破綻してしまうと考えたAさん夫妻は、藁をもつかむような気持で、友人に相談します。

フランチャイズ契約

相談した友人の紹介で、Aさん夫婦はコンビニのフランチャイズ契約を結ぶことになりました。契約に必要な諸経費や開店資金はフランチャイズ本部から借りることができるため、資金のないAさん夫婦も開業できる仕組みです。目の前が真っ暗だった二人に、一筋の光が差し込んだ瞬間でした。あとは真面目に働けばその分が自分に返ってくる。きちんと見返りがあると、その頃の二人は信じて疑いませんでした。

しかし、コンビニ経営はまったくの素人だったAさん夫婦。商才がなかったのか、365日休みなく働いているのに、一向に生活が良くなることはありませんでした。慢性的な人手不足に、クレーム対応やトラブル対処。やってもやっても仕事が終わらない毎日。心身共に疲弊していきました。

借金返済

心身の疲れ以上に二人を追い詰めたのは、自営業で大切なお金の工面です。人件費をはじめとする、諸経費全般を経営者が負担するフランチャイズ契約では、思っていたよりも自分たちの懐にお金が入ってきません。店の売り上げはそこそこありましたが、開店時の借金返済や、本部へのロイヤリティの支払いは容赦なく迫ってきます。手取りが10万円満たない月もありました。利益があるのにお金はほとんど手元に残らない現状に、生活が常に脅かされる毎日でした。

住宅ローンは2か月払えなければ銀行に家を差し押さえられてしまいます。それだけはなんとしてでも避けたいと、フランチャイズ本部にお金を借りながらお金をなんとか工面していました。

 

子どもの成長

Aさん夫婦には一人娘がおり、子どもの成長とともに学費も必要になり、家計を圧迫し始めました。公立高校に進学した娘は、自分の学費は自分で稼ぎたいとアルバイトを学校に申請し、先生も家庭の事情を理解してくれていました。なんとか「親と一緒の職場なら」という条件でアルバイトを許可してもらい、家族3人で家計を支えるために働きました。

しかし、出ていくお金が多すぎて一向に生活が良くなりません。ここでもし、夫婦のどちらかが大きな病気にかかってしまえば家族は路頭に迷います。その恐怖が常につきまとう生活は苦しいものでした。とにかく365日、店のスタッフが途切れないようにして空きそうな穴を埋める日々。睡眠時間を削り、身を粉にして働きました。

契約満了

コンビニを始めて15年、何とか契約満了を迎えることができました。そのタイミングで娘も大学を卒業して無事に就職して独り立ちすることができました。節約に節約を重ね、何とか人生の山場は乗り越えましたが、今もなおお金は手元に無い状況。15年間休みなく働いてきたツケがまわったのか、慢性的な疲労や腰痛に悩まされ、持病として残ってしまいました。今は夫婦ともどもハローワークで紹介された非正規の仕事についています。世帯年収は、家を買った頃に比べたら半分以下ですが、カレンダー通りに休みになるのはありがたい瞬間。

試算すると、60歳の定年を迎えたとしても住宅ローンは800万円ほど残っている。これからどんどん年をとるのに悩みの種はつきない。 

まとめ

ローンを組む時は、その時の生活水準が変わらない前提で組まれることが多いです。しかし、Aさんのように人生何があるかはわかりません。もしかしたら明日重病にかかり、莫大な医療費が必要になるかもしれません。人生何が起こるか分からない。これは誰しも平等に与えられた将来のリスクです。自分の今が当たり前だと思わずに、将来に向けて備えていきましょう。

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tami
tami

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