ヒトの皮膚が剥がれ落ちていく、道化師様魚鱗癬とは?

学校・教育

道化師様魚鱗癬?なんて読むのかもわからない病名ですが、ヒトの皮膚の難病のことをいいます。知らない人がほとんどだと思いますが、皮膚の病気ということで見た目ですぐに気が付きます。”どうけしよう・ぎょりんせん”と呼ばれるこの病気は、国内では30万人に1人の難病と言われており、完治は難しいと言われています。

症状

病名の中に魚鱗と入るだけあって、皮膚が魚のうろこのようになり、剥がれ落ちます。遺伝子に異常のある先天的疾患で、特に「道化師様魚鱗癬」は魚鱗癬の中でも重症です。全身の皮膚が剥がれやすいのに加えて、皮膚が常に乾燥している状態なので、かゆみがひどいです。かゆいので小さい子どものうちは自分で体をかいてしまいがちですが、少しの刺激でも皮膚が剥がれてしまうので、すぐに皮膚は赤くなってしまいます。 

苦労すること

皮膚が乾燥して、体の保湿機能がまったく機能していない状態だと、外からくる細菌やウイルスをはねのけることができません。そうなると皮膚から菌が入り込み感染症になってしまいます。そこで保湿対策のためにワセリンを頻繁に塗る必要があります。その日の皮膚の状態にもよりますが、ワセリンを一日に何回も体に塗るので一本使い切ることもあります。そしてワセリンは着ている衣類にも付着してしまうので、洗濯物などは通常の衣類よりも丁寧に洗わなければいけません。 

そして一番苦労するのはお風呂の時間。皮膚が非常に弱い状態なので、シャワーなどでお湯に触れると体に痛みが走ります。毎日のことなので、身体的にも精神的にも辛い時間です。子どもの中には泣き叫んでしまう子もいるそうですが、ささくれなんかでもしみて痛いのに、全身となったら叫びたくなるのも無理はありません。

食事

一日に必要なエネルギーは、同じ年代の人よりもとても多いです。魚鱗癬の人は皮膚がつねに剥がれ落ちています。この皮膚の材料となるのは水分やたんぱく質、脂肪といろんな成分が含まれています。そのため剥がれ落ちていく分だけ栄養を蓄えないといけないのです。3歳の小さな子でも、成人と同じだけの摂取カロリーを必要とします。

皮膚の剥がれ方によって摂取カロリーは変化しますが、一日6~10食近く食事をとります。常に何かしら口にしている状態ですので、食事面のサポートもなかなか大変です。 

まとめ

魚鱗癬という言葉を初めて聞き調べたところ、その症状がもたらす苦労は想像を絶するものでした。他人に理解されない、されようとも思わない。という方の意見を目にしましたが、苦労を共有できないということがどれほど辛いことかわかりません。日常で過ごしていたら経験しないような苦労や葛藤と闘いながら、完治しない病気に対して向き合っていかなくてはいけない。そんな現実を手探りで生き抜いている人がいることを一人でも多くの人に知ってもらい、偏見の目が減ることを願っています。

tami
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