借金してまでなぜ借りる?リバースモーゲージのデメリット

資産運用

人生100年時代と言われている中で、老後資金に不安を持っている方も増えてきています。年金は月々十数万円で豊かな暮らしは望めない。そんな人々の不安を解決する対策の1つとして「リバースモーゲージ」が注目されています。自宅に住み続けながら、その自宅を担保に老後資金を借りることができるという商品ですが、その注目度の割にはまだまだ内容が理解されていないのが現状です。今回は、最近話題になっているリバースモーゲージについて、内容やリスクをお話ししていきたいと思います。今後の老後資金について不安があり、お金についての知識について学んでいきたいという方はぜひ参考にしてみてください。

※リバースモーゲージを勧めるものではありません。あくまでも知識の幅を拡げるための参考にして下さい。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、

自宅を担保にそこに住み続けながら融資を受けるシニア層向けのローン

です。つまりは”借金”ということです。

担任

老後借金生活をおくる

なんてまっぴらごめんだ

こう考える人も多いかもしれません。ではなぜリバースモーゲージがここまで注目されているのでしょうか?それは一般的なローンと異なる【返済方法】に秘密があります。

例として、住宅ローンとリバースモーゲージを比較すると、自宅を担保に入れて融資を受けるまでは同じです。しかし、最初にまとまった融資を受け、毎月元本と利息を返済する住宅ローンに対し、リバースモーゲージは融資枠内で定期的または一括で融資を受け、元本の返済は死亡後または契約期間終了後に担保不動産の売却代金で返済、または相続人による手もと資金での一括返済となり、存命中または契約期間中は毎月利息のみの返済となります。

契約後も自宅に

住み続けられ、

返済が利息のみ!

これがリバースモーゲージの特徴です。リバースモーゲージを取り扱う銀行などの金融機関は年々増え、自宅を有効活用し自宅を手放すことなく、現金を確保できるリバースモーゲージは、年金生活で収入の少ない高齢者に支持されています。実際、超低金利時代と言われている現代では銀行もお金を貸すだけでは儲かりません。新しい商品を販売していく中で注目されてきたのが”リバースモーゲージ”というわけです。

銀行の売り文句としては、リバースモーゲージを利用することで、老後資金を確保することができ充実したセカンドライフを送ることができる。というわけです。

利用に適した人

さて、どういった方がリバースモーゲージを利用しているのでしょうか?一般的にリバースモーゲージを利用するのに適しているのは次のような場合とされています。

ゆとりある老後をおくりたい

リバースモーゲージは自宅に住み続けながら、ご自宅を担保に融資を受けられます。住み慣れた場所を離れる必要はありませんし、老後資金の不安を解消する商品として高齢者の方に人気です。月々の返済は利息のみで負担が少ないのも魅力的です。

いざという時に備えたい

年金暮らしをしていると、毎月の生活で精一杯で資金を貯めておくほどの余裕がないという方が多いです。そうなると病気や介護など急な出費に対応することができません。リバースモーゲージでは資金使途は原則自由です。(ただし、公序良俗に反するものは除きます。※地方自治体の社会福祉協議会が提供しているリバースモーゲージは、自立支援を目的としているため、老後の生活資金のみにしか利用できません)「住宅ローンの借換」「生活費の補填」「リフォーム」等様々な用途に利用できるため、いざという時のためにお金を用意したいという人に人気です。

家族に迷惑をかけたくない

自分がいつまで長生きするかは誰にもわかりません。リスク管理というのは長生きすればするほど難しくなってきます。リバースモーゲージでは借入人が死亡した場合、配偶者が契約を引き継げるようにしている金融機関が多いため、配偶者の居住に関するリスクを回避できます。自分が死んだときに家族に迷惑をかけたくないという方には適している金融商品です。

デメリット

ここまでの話だけ聞いていると、高齢者やその家族にとって魅力的な金融商品に思えますよね?しかし、こういった話は必ずデメリット部分を確認しておかなくてはいけません。

自宅に住み続けられて

利息だけ返済すれば

いいなんてお得~♪

こんな能天気な考えだと後々後悔することになるので注意してください。それではデメリットについてまとめていきましょう。

マンションは対象外になる場合が多い

金融機関が担保として信用しているものは、家の評価額ではなく”土地”の価値です。建物が建っている土地をメインに不動産評価額を決定するのが一般的です。そのため、担保対象となる物件は、一般的には一戸建て物件となります。建物部分はあまり評価されないためマンションは対象外となる場合が多いです。(※駅近などのこれから需要が高まると予想されるマンションについては対象になることがあります)土地付き住宅に比べて、マンションが経年劣化とともに資産価値の下落率が高いことが大きく影響しています。金融機関によっては、マンションでも利用可能な場合もありますが、数は少ないです。

融資が可能でも、

その分条件が厳しくなる

金融機関もあります。

長生きリスク

長生きのリスクってあまり考えたことがない、という方が結構います。年金も国民の”長生きリスク”に対してできたものですが、なかなか中身を理解されないままでいます。さて、リバースモーゲージでも【長生きリスク】が存在します。

具体的には、存命中にローンの受け取り総額が融資限度額に達した場合です。この場合、その後の融資が途絶えてしまい生活に支障がでてきてしまいます。また、リバースモーゲージは死亡後に自宅を売却して返済することが一般的ですが、金融機関によっては契約期間(最終返済期限)が設けられているケースがあります。想定よりも長生きし、契約期間が終了してしまった場合、元金と利息を一括返済しなければいけません

これが最も気を付けたい

リスクです

もし一括返済できなければ、契約者が存命でも自宅を売却して一括返済する必要があります。自宅を売却して返済する際、自宅の売却価格よりも借入金残高が多かった場合には、差額の借入金残高が残ってしまい、最終的には自宅も失い、借金だけが残るリスクがあります。年金暮らしの高齢者によって、
利息を含めた債務を一括で返済することは、非常に難しい問題です。

金利変動リスク

リバースモーゲージでは、変動金利型、一定期間の固定金利型のものが多いです。今は”超低金利”時代ですが、いつこの金利が上昇するかは誰にもわかりません。もしも契約期間中にに金利が上昇した場合は、借入残高が増えて担保割れとなるリスクがあるということです。そうなれば契約期間の途中で融資可能金額の上限に達してしまい、当初想定よりも融資を受けられる金額が少なくなります。

こういったリスクは

誰にも予想できません

そのため、最悪のパターンを想定しておく必要があります。またこれに加えて、金利上昇により月々の返済額が膨らむリスクもあります。リバースモーゲージは、不動産を担保とした融資となるため、毎月利息が発生します。契約が終わるまで利息分は月々返済しなければならないため、金利上昇により返済負担が増えてしまう可能性があるのです。

まとめ

リバースモーゲージは、老後資金の調達として有力な金融商品として注目されていますが、結局のところ”借金”です。この本質は他のローンとなんら変わりありません。昔から住宅を担保にお金を借りるという仕組みはありましたが、そのどれもが”借金”です。お金を借りて、利息が発生している。そのことをまず理解しておく必要があります。融資ではありますが、債務者が亡くなった後は自宅売却が前提のため、家がなくなり、家が相続財産として残りません。そのため、推定相続人全員(子どもなど)の同意を必要とする場合が多いです。家族とよく話し合い、メリット・デメリットをよく理解した上で利用を検討するようにしてください。間違っても窓口で”優しい人”が丁寧に説明してくれたから、という理由で利用してはいけません。老後の生活をゆたかにするのは”借金”ではなく”知識”です。マネーリテラシーを高め、自分や家族にとって最適な判断をできるようにしておきましょう。

また⇨【定年後の過ごし方】では、人生100年時代と言われている現代において、定年後の生活についてどうしようか悩んでいる方に向けた、セカンドライフの過ごし方をご紹介しています。趣味や健康についてはもちろんですが、【自分で稼いでみる】という視点でもお話ししていますので、老後資金を自分で稼いでみようという活力のある方はぜひ参考にしてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました