生徒の勝利を喜べない?部活動の実態②

学校・教育

部活動の実態①では顧問になるまでの流れと手当等をご紹介しました。今回は現在増額されている手当や外部コーチについてお話しします。

部活動手当の増額

文部科学省は、平成31年1月から部活動手当を「土日4時間程度」の場合3000円の支払いだったのを、3600円に増額しました。また今まで支払いの対象とならなかった「2~4時間」の場合でも、1800円の部活動手当を支払うことになりました。今までの待遇を考えると一歩前進しましたが、それでも部活の顧問に対する手当としては十分なものと言えないでしょう。このような待遇なので、手当よりも休日が欲しいという教員も多いです。 

試合で勝つこと

自分の受け持つ部活動の生徒が成績を残すのは本来とても嬉しいことです。日頃の成果を発揮できて、なおかつ結果が出るなんて生徒にとっても嬉しいですよね。部活動の意義とは勝利ばかりではありませんが、やはり成績を残すと部活動全体のやる気にもつながります。しかし、先ほど説明したように部活で優秀な成績を残しても顧問の評価には何の関係もありません。それどころか負担が増えるばかりです。例えば試合で優秀な成績を残し、次の大会へと進めることができた時、休日がまた一つ潰れてしまいます。生徒の活躍が嬉しい反面、自分のプライベートが無くなることが確定します。成績向上に対する評価があればまた違うと思うのですが、そうなると勝利至上主義に陥る危険もあります。難しいところではありますが、勝っても喜べないなんてなんだかむなしいですよね。

部活動外部コーチ

こういった教員の負担を減らすべく、外部から部活動の指導者を雇う取り組みが開始されました。実際私も外部コーチの一人でした。講師として勤務している学校の部活動にコーチとして雇われ、学校の授業が終わると外部コーチとして部活動を指導していました。外部コーチは時給にして「2000円」ほどです。各自治体によって労働条件は異なるかもしれませんが、私の場合は一カ月の労働上限が決まっていました。1か月「16時間」が上限の時もあれば、「4時間」が上限の時もあり収入はその年によって異なります。予算を他の部活動と分けるので、どうしても毎年同じ条件で働くということができないのです。条件の中でしか働けないという人もいれば、条件の中でだけ働けばいいから楽という人もいます。

私の場合は部活動をしっかりと指導したいタイプだったので、条件の中でしか教えられないことにもどかしさを感じていました。上限を超えたとしても指導できないわけではないですが、ただのボランティアになるだけです。そこに関しては、タダ働きをするつもりがなければやめておいた方が無難です。プライベートも大切ですからね。 

まとめ

学校という教育の場所で、お金の話をするものではないという方もいます。教員とはやりがいであり、働き方に文句を言うのならなぜ教員になったんだ。そういう意見も確かにあると思います。しかし自分の仕事を評価されなければ、なんのために頑張ればいいのかわかりません。生徒の笑顔や感謝の言葉で苦労が報われることも確かにありますが、一人の人間として生活していかなくてはなりません。プライベートもお金も譲ることのできない大切なものです。人として大切なものを失いながら働くのは、いつか限界がきてしまいます。もしかしたらもう限界かもしれません。先生方のやりがいや善意が搾取されることのない働き方になるよう、今後も改善されてほしいと思います。

tami
tami

現場にいて感じた、危険な職場環境

についてもまとめています。 

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