いじめ問題。当事者のその後

学校・教育

前回のページで、いじめ問題の原因についてお話ししました。残念ながら現場ではいじめの対応に追われて防止策がいまだにないのが悲しいですが、実際にいじめが起こった後はどうなるのかお話しします。 

いじめのその後

いじめが発生し、当事者同士の話し合いが完了した後、その後も当事者の動向は気にかけます。学校生活ももちろんですが、普段の様子をみていて気になることがあれば教員同士で情報共有します。いじめは起こったその後の対応が問われます。指導が終わり、これで一件落着。といいたいところですが、残念ながらそのようなハッピーエンドは少ないです。

大抵の場合、いじめ問題が起こると当事者のどちらかが学校を転校することが多いです。被害者が転校すると考える人が多いと思いますが、それは違います。転校するのは加害者が多いです。SNSでの誹謗中傷でも話しましたが、プチ正義の味方は厄介なものです。いじめが発覚しそれが解決しているのにも関わらず、加害者がその後クラスメイトに無視されたりするのです。今まで自分がしてきたことだろうとでもいうように、集団で一人を無視します。完全なる”いじめ”ですが、本人たちはプチ正義の味方気取りで加害者に制裁を加えているつもりです。そのため一切罪悪感も後ろめたさも感じていません。これが厄介です。相手を追い詰めるまで歯止めがききません。正義のつもりが、ただの敵意弱いものいじめになっていることに気が付いていないのです。

こうなると加害者は学校に来ることができなくなってしまいます。自分の居場所をなくし、学校に来る気力も教師に相談する気持ちも無くなってしまいます。こうなると、後は転校するという選択をして学校を去っていきます。加害者を追い出せたと勘違いしたプチ正義の味方たちは、自分たちのしたことの重大さに気付くこともありません。こんな負の連鎖が繰り返されてしまいます。

実際、この現象は学校現場のみではなく社会でも起こっています。何か事件があれば、ネットでさらし者にし、個人情報を特定して社会的に抹殺しようとします。時には関係のない家族にもその火の粉が降りかかることがあります。学校では、一度失敗をしてもその後やり直そうとする気持ちがあればやり直すことができます。教師もそのつもりで全力で生徒を指導します。しかし今の世の中、何か事件を起こすと徹底的に制裁を受けます。ようは失敗の許されない社会になっているのです。 

確かにやってはいけないことはあります。取返しのつかないことになってしまってはいけません。それが命にかかわるようなことであれば、なおのことです。しかし関係のない第三者は、部外者以外の何者でもありません。ましてや敵意のある第三者など更生には邪魔なだけです。加害者を制裁したところで同じことの繰り返しです。いじめがいじめを引き起こしています。いじめの少ない世の中にするためには、その連鎖を断ち切る必要があります。そのためには”人を許す心”、”いじめを許さない心”を学校と家庭で教え続ける根気良さが大切ではないでしょうか。

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