ASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴と配慮する点

学校・教育

ASDを聞いたことありますか?発達障害のひとつであるASDは、先天的な脳機能障害であり、いわゆる「自閉症」や「アスペルガー症候群」もこのカテゴリーの中に含まれています。子どもの頃に診断される人もいれば、大人になってから診断される人もおり、その重症度は千差万別です。今回は学校現場でみてきたASDの特徴とそれに対する周りの接し方をご説明します。

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まず前提として知っておいていただきたいのは、障害といっていますがASDに関してはそれを受け入れて病気と上手く付き合いながら生活している人はたくさんいます。職場にもASDと診断されている先生がいますが、授業も分掌もテキパキとこなしています。独特な雰囲気はありますが、生徒受けはとても良いです。周りの配慮が必要な場面は確かにありますが、立派な大人としてきちんと自立されています。もしも自分のお子さんがASDと診断されて悩んでいる方がいらっしゃるのなら、思いつめないでほしいです。保護者の方にもお子さんの成長の遅さに悩まれる方は大勢いますが、最近では障害に対する理解も進み、ずいぶんと生きやすくなったとASDの先生が言っていました。抱え込まずに周りに相談してみてください。きっと今よりずっと楽になると思います。

自己流が強い

ASDの特徴のひとつとしてこだわりの強さがあります。特定の物事を自分の思い通りにやりたがることや、手順通りに物事を運びたがることが多いです。例えばいつもの通る道。自分の知らない別の近道があったとしても、そこを通ることを拒否します。いくら効率がいいと説明をしても伝わりません。子どもに関しては無理に連れて行ってしまうとパニックを引き起こしてしまうので注意してください。大人になるにつれてこのこだわりは緩和されると言われていますが、事前に説明してもらえないと急な変更は難しい時があります。

また仕事であれば、マニュアルや指示があったとしても、自分の中で気になる点を見つけた途端に、作業が止まってしまいます。これにより作業の効率が落ちたり、作業の進捗度合いが遅れてしまうかもしれませんが、そこは周りがフォローしてあげてください。説明して納得することもあれば、まったく話し合いにならないこともあります。その場合は作業を分担するなど、周りの仕事がストップしないように仕事を分ける方が効率的です。こだわりが強い分、自分にふられた仕事は最後までとことんこなしてくれます。

集団行動が苦手

学校現場でよくあることなのですが、ASDの子は集団行動がとにかく苦手です。授業や行事でクラスメイトと一緒に活動すること、決められたスケジュール通りに行動することをストレスと感じてしまいます。周りと適度な距離感をとるということが苦手な子が多いような気がしますが、大人になってからも職場で周りと協力して仕事をこなすことは得意としません。自分のやりたいことがでてきてしまうとそれに集中してしまうからです。チームでの業務が進まないので、「空気を読めない」と言われがちです。周りからは非協力的だと非難されるかもしれませんが、周囲と足並みを揃えることはまず難しいでしょう。こういう場合は一人で黙々と作業するような仕事を割り当てると良いです。人に合わせることはできない代わりに、一人で進める作業は得意です。たまにびっくりするほどの集中力をみせて、周囲を驚かせてしまいます。

コミュニケーションがうまくとれない

ASDの子は、言葉の発達に遅れがあることが多いです。小さいころにそのような指摘を受けて大人になった人もいると思います。日常生活を過ごしていくことでだんだんと読み書きを習得していきますが、通常よりも苦手だったり、独特の言葉遣いをすることがあります。少し不自然かな?と思う程度では問題ないかもしれませんが、これが周りの人との関係を悪くすることがあります。意図が伝わらずに余計はことを口走ったり、独特の解釈をして理解のずれが生じたり、相手にうまく理解してもらえないことでトラブルを引き起こします。

また仕事では日常生活以上のコミュニケーションを求められます。自分の意図を正確に相手に伝えることは必須条件です。学校では自分のペースで落ち着いていられたのに、就職してからものすごく苦労するということもあります。毎日やることが決まっている学校とは違い、仕事は常にスピード感がありそれについていけないのです。これに関しては相手の理解というよりも、自分の努力でなんとかするしかありません。例えば会話を円滑にするために笑顔で応えるようにする。相手の気持ちを踏まえて言葉を発するように心がける。会話の中だけでなく表情で相手の気持ちを読み取る。少し疲れるかもしれませんが、意識して慣らしていくしかありません。

まとめ

職場にいるASDの先生を見ていると、勉強になることがたくさんあります。そもそも自分の興味があることはとことん調べるので、知識の量がすごいです。この先生に聞けばだいたいのことは教えてくれます。ASDの診断を受けていることも最近知りました。それまで変わった人だな程度にしか思っていなかったです。話を聞くとASD特有の悩みを抱えていましたが、周りに公表したことでだいぶ生活しやすくなったそうです。確かに生きづらいことも多いと思いますが、周りにない集中力などの強みもあります。今悩んでいる人も、家族がそうかもしれないと不安に思っている人も、まずは理解しどう向き合っていけばいいのか考えてみてください。 

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