胆道ドレナージ「PTCDとPTGBDはなにが違うの?」

消化器看護

「PTCDとPTGBDはなにが違うの?」

この質問にあなたは即答できますか?

私は消化器の病棟で数年働いていますが、それでもこの質問には一瞬戸惑ってしまいます。とにかく似たような名前が多くて、覚えにくいですよね。日本語で書いてあれば、漢字から意味が推測できるのですが、アルファベットの略語だとややこしくて仕方がないです。しかしながら医師カルテや看護記録ではほとんど略語で書いてあるので、覚えないと仕事になりません。

今回は、そんな胆道ドレナージについてまとめていきたいと思います。

種類

➀内視鏡的経鼻胆道ドレナージ :ENBD endoscopic naso-biliary drainage

②内視鏡的逆行性胆道ドレナージ:ERBD endoscopic retrograde biliary drainage

③経皮経肝的胆管ドレナージ  :PTCD percutaneous transhepatic cholangio drainage

経皮経肝的胆道ドレナージ  :PTBD   percutaneous transhepatic biliary drainage

④経皮経肝的胆嚢ドレナージ  :PTGBD percutaneous transhepatic gall bladder                      drainage

⑤逆行性経肝的胆道ドレナージ :RTBD retrograde transhepatic biliary drainage

種類だけでもこれだけあります。この中で体内に留置する方法は②ERBDだけで、それ以外は体外へチューブが出て、体外へ胆汁を排泄する方法になります。また、③PTCDとPTBDは同義語として扱われることが多いので今回は、PTCDとしてまとめて説明していきます。

少しでも覚えやすくするために、各単語の意味も調べてみました。

endoscopic:内視鏡、naso:鼻、biliary:胆道、drainage:排液・ドレナージ、retrograde:逆行的、percutaneous:経皮的、cholangio:胆管、transhepatic:経肝的、gall bladder:胆嚢

目的

結石や腫瘍による閉塞性黄疸に対する減黄(黄疸の軽減)や、胆道手術時の吻合部保護のため

挿入方法

・内視鏡的に挿入するもの。

➀ENBD、②ERBD

・超音波下で経皮経肝的に穿刺して挿入するもの。透視も併用される。

③PTCD、④PTGBD、⑤RTBD

各論

各ドレナージを把握するポイントは2つ

・どんなルートで挿入されるのか

・チューブの先端はどこに留置されるのか

➀内視鏡的経鼻胆道ドレナージ:ENBD

経鼻で内視鏡的に挿入され、先端は胆管の狭窄部を超えて胆管内に留置される。

・鼻から出たチューブは鼻翼・鼻梁に固定され、排液バッグへつながる。

・鼻の汗で固定のテープが剥がれやすくなるので、1回/日はテープの貼り替えを行うこと。

②内視鏡的逆行性胆道ドレナージ:ERBD

内視鏡的にステント(プラスチックor金属製)を胆管の狭窄部に留置することで腸内に胆汁を排泄する。

・プスチック製の場合、数か月で閉塞するので入れ替えが必要。金属製の場合は入れ替えできないので、狭窄部の内側から再度ステント挿入することになる。

・体外へチューブが出てこないので処置後の患者の負担が少ない。

③経皮経肝的胆管ドレナージ:PTCD

経皮的に挿入され、先端は肝内胆管に留置される。

・チューブは皮膚に糸で固定され、排液バッグへとつながれる。


④経皮経肝的胆嚢ドレナージ:PTGBD

経皮的に挿入され、先端は肝臓を経由して胆嚢内に留置される。先端はバルーン付きのものやループになって抜けにくくなっているもの(ピックテール=ブタの尻尾なんて言われます)などある。

*なんで直接胆嚢を穿刺せずに、わざわざ肝臓も穿刺してから胆嚢を穿刺して留置するの?

この疑問を消化器内科医にぶつけたことがあります。医師の答えは「腹腔内の臓器の間を縫って胆嚢だけを穿刺するよりも、胆嚢に接している肝臓からアプローチした方が、何倍も簡単でリスクが低いから」というものでした。なるほど、聞いてみないと分からないものです。

⑤逆行性経肝的胆道ドレナージ:RTBD

・胆道再建時に胆管-空腸吻合部の減圧目的に留置される。

看護のポイント

・胆汁の量

胆汁の一日排泄量は500ml以上と言われていますが、個人差が大きいです。また、肝臓でつくられた胆汁の全てがチューブを介して体外へドレナージされるわけではない場合があります。胆管が完全には狭窄しておらず、ある程度の胆汁は腸内へ排泄されている場合があるからです。そのため、胆汁量の観察時には絶対量ではなく継時的な流出量の変化に注意が必要です。急激に流出量が減り、ミルキングでも変化がない場合にはチューブの閉塞や脱落を疑います。

・胆汁の色

肝臓でつくられた正常な胆汁は濃い黄金色~黄褐色で、濁りはありません。胆嚢で濃縮・貯蔵された胆汁は酸化されて緑色を呈してきます。PTCDなどの留置直後は血性排液がみられますが、次第に血性は軽減していきます。

・各チューブの固定テープの剥がれや、チューブの屈曲・ねじれがないか確認します。

・排液ボトルは、臥床時も必ず体よりも低い位置になるように患者へ指導します。

まとめ

胆道ドレナージについてまとめてみました。消化器病棟に勤めているならば避けては通れないので、ぜひ目的とその特徴を把握してください。

tami
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