学校の先生の危険なマネーリテラシー

学校・教育

日本人のマネーリテラシーの低さは、他の国と比べてとてもダントツで低いです。そもそもお金の話を家族としない風習があり、本来親から子どもに伝わるはずのお金に関する知識も受け継がれていきません。そんな日本人ですが、社会に出て働き始めればある程度マネーリテラシーというものが身についていきます。中には生活を維持するために仕方なく勉強せざるを得なかったという人もいるかもしれません。そんなマネーリテラシーですが、学校の先生に関しては特に低いところにあります。それは現場にいるからこそわかるのですが、とにかく先生方はお金に関して無知です。そんなこと知らなくても良いぐらいに思っているかもしれません。学校の先生がなぜこれほどまでに“お金の知識”が乏しいのか、現場にいたからこそ気が付いたその理由をお話しします。

公務員であることへの安心感

公務員というのは、クビになって職を失うこともない将来的にはお給料も右肩上がりの“安定した職業”として人気があります。その安心感からか、お金に関しての心配が少ないと考えている教員が多くいます。実は全くそんなことはありません。どれだけ稼いでいようが、どれだけ大企業に勤めていようが、マネーリテラシーを身に付けていないと将来お金に困るのは目に見えています。そんなこととはつゆ知らず、休日もほとんどボランティアのような部活動を指導し、貴重な人生の時間を削っているのです。自分の働き方について“現状維持”で満足していては安定から遠のくばかりです。何か行動することをリスクだと勘違いしている人が多いですが、本当のリスクは何もせずにただジッとしていることなのです。

保健所の方で、パワハラ

による懲戒免職をくらった

方もいるので、公務員でも

ハチャメチャな方は罰則が

きちんと下ります。

お金の話は汚いと思っている

なぜか、日本人はお金の話をすることを嫌います。品がなく、汚いと思われることを避けるために、身内でさえもお金の話を避ける傾向にあります。⇨【こどものマネーリテラシーを育てる方法】でも詳しく解説していますが、この考え方が教員ではさらに根強いように思います。というのも、教員は“やりがい搾取”が問題視されているように、無償の仕事が多くあります。休日の部活動引率から始まり、定時から外れた時間外の生徒指導、さらには保護者の電話対応まで、労働条件にあてはまらないボランティアがたくさんあります。これらは教員の「善意」でやられているため、もちろんお給料は発生しません。そもそも時間外の残業手当というものが教員には存在しないのです。自分が好きでやっているのなら何も問題ありませんが、実際問題苦言を呈しても現場を変えることができないと嘆いている教員がたくさんいます。そのため、「この仕事をすると、時給はいくらになるのだろうか」という計算を放棄している状態なのです。現場の先生の中には、「時給を考えると仕事が嫌になるから計算なんかしないよ」という人までいます。本来であれば、労働に対してそれ相応の対価が払われなければいけません。フリーランスの人であれば、「労働に対するお金の対価」というのは仕事を引き受けるかどうかの判断材料にもなります。

私が衝撃だったのが、若い教員が先生の働き方について先輩教員に相談した時「じゃあなんで教員になったの?」と返答していたことです。教員を志した時点で、やりがい搾取に文句を言うなと言っているかのようなその発言に、教員現場の闇を感じたのを覚えています。

⇨現場にいて感じた、

危険な職場環境

で教育現場の労働状況に

ついて詳しく説明して

いますので、参考に

してみてください。

人を信用しやすい

教員のマネーリテラシーが低いことは周知の事実なのか、知人から投資話を持ち掛けられたという先生方をよく見かけます。お金のことには興味が無いのに、知人のことは簡単に信用してしまうため、確実に儲かると言われると素直にお金を預けてしまいます。※もちろん、確実にもうかる投資話など存在しません。投資の世界は全て自己責任です。

教員によく持ち掛けられる投資話の特徴としては、「生命保険代わりになる」「先行きの怪しい年金代わりになる」「銀行に預けておくより利回りが良い」など、ありがちなポンジスキームの特徴をそのまま当てはめたものばかりです。※ポンジスキームについては⇨【投資家なら防ぎたい、ポンジスキームの罠】で詳しく紹介しています。これらのセリフにのせられて投資話に関わったという方はぜひお気を付け下さい。いわゆる詐欺まがいな投資話ですが、冷静に考えればおかしな点ばかりです。生命保険が必要ならば、生命保険に加入すればいい話だし、年金代わりのものが欲しいのならもっと手数料の安いインデックスファンドの積み立てを行うべきです。こういったものは、基本的に企業側が手数料を貰って儲けるためにある商品であるということを知っておいてください。高利回りのものに関しては、年利20%という現実ではありえない数字を提示してきます。年利5%でもかなりの高利回りといわれている投資の世界で、この数字はあり得ません。逆に言えば、こういったあり得ない利回りを提示された投資話に関しては、全て“詐欺”だと思ってもらえれば大丈夫です。そもそも利回りの相場を知らない相手だからこそ飛びつく数字なのです。

お金の知識が乏しいわりに、信用している知人に簡単にお金を預けてしまうところが、教員が詐欺まがいに狙われる理由です。

まとめ

今でこそ、教員のマネーリテラシーが低いと感じる私ですが、自分も勉強するまではかなりお金に関しては無知でした。知らない制度がたくさんありましたし、学校では教わらなかった、生きるために必要な知識がこんなにもあるのかと驚いたほどです。お金の勉強をしていくにつれて、学校のカリキュラムに“お金の授業”がなぜ無いんだと強く思いました。まだまだ私自身、お金に関しては勉強途中であるため知らないことがたくさんあります。しかし、少し勉強するだけでもかなりの投資詐欺に対して防御できるだけの力を身に付けました。お金を守る力は自分で磨くしかありません。教員に限らず、世の中のマネーリテラシーが少しでも上がれば、大切なお金を詐欺師たちに搾取されることがだいぶ防げるはずです。攻撃力だけではなく、防御力も高めていきましょう。

お子さんがいらっしゃる方向けの⇨【子どものマネーリテラシーを育てる方法】についてもまとめています。日本ではお金のことを人前で話すことは「品がない」「いやしいこと」と考える傾向にありますが、生活するうえでお金は必要不可欠なものです。ある意味最大の関心を持っていて当然だと思うのですが、なぜかお金の話はタブー視されがちです。しかしながら幼少期から家族の間できちんとお金の話をすることで、マネーリテラシーを自然に育むことができます。気になる方はぜひのぞいてみて下さい。

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