「学校は究極のブラック企業」と比喩されることもあるほど、過重労働が大きな社会問題とされています。定時に帰れるのはテスト週間や長期休みの時ぐらいです。正規の先生方は本当にたくさんの時間を教育に費やして働いてくれています。
たくさんの業務の中でも教員の負担が大きいのは部活の顧問です。負担が大きい割には評価されにくく、プライベートの時間を割いてまでやる仕事とはとても言えません。部活に関しては労働ではなく、趣味の領域に達している教員も珍しくないでしょう。
時間外手当や休日手当
公立の小学校や中学校などで勤務している教員は公務員であり、各都道府県の教育委員会で採用された“地方公務員”にあたります。地方公務員にとって時間外勤務の手当てというものは存在しません。残業代が出ないと言われますが、そもそも設定されていないのです。時間外手当がないということは、当然休日手当も存在しません。
ということは、部活時間は
タダ働きなの?
はい、その通りです。例えば教員の定時が5時だとして、部活が終わるのは6時過ぎ。そこから溜まった仕事を片づけ始めます。部活の時間は単なる“タダ働き”ですので、部活がある日は仕事の時間が奪われるだけということです。賃金が発生しないのに時間は奪われるなんて、マイナス以外の何物でもないですね。
それゆえに部活動をやりたくないという教員もいます。しかし、部活動については半強制のものです。避けられるのは再任用の年老いた方や家庭の事情で時短されている方ぐらいです。
せめて自分のやりたい部活動
を選ばせてほしい・・・
残念ながら無理です。学校現場では自分の希望する部活を指導することができる人はほんの一部です。例えば自分の専門種目があり、なおかつ全国レベルの成績を残している人。または指導者として優秀な成績を残している人。こういったものに該当する人が優先的に配属されるので、特に該当しない人はあまったところに配置されます。
ここで苦労するのが、まったく知らないジャンルの部活に配属された時です。やったことも見たこともないものを担当することになると、指導どころではありません。まずはそれを勉強するところから始まります。むしろ生徒の方が詳しいということもざらです。しかし顧問になれば、生徒を指導しなくてはいけません。特に新しく入学してくる新入生たちは自分を頼ってきます。わからないものを指導しなくてはいけない、そんな中でプレッシャーに押しつぶされる教員も少なくありません。
慣れるまでは副顧問で
様子見したいな・・・
こう考える人もいますが、基本的に副顧問は年長者が配置されることが多いです。年長者の特権といってもいいかもしれません。ですので、あなたが若手(40代前半)であるなら主顧問を免れることは厳しいと思ってください。
休日の部活動
部活動は平日だけではなく、休日もあるものが多いです。特に運動部を担当することになれば土曜日は無くなりますね。地方公務員にあたる教員は、休日手当は存在しません。しかし休日に「4時間以上」の部活動顧問を行った場合は、「部活動手当」というものが支払われます。これは休日手当の代わりに文部科学省が定めている手当です。
待望の手当!
その支払いは3000円
わお!時給3000円?なかなか良いバイトになるじゃん!と思われてる方すみません。これは時給ではなく一律料金です。4時間以上はどれだけ働いてもプラスで加算されることはありません。試合がある日は一日拘束されることもざらですので、時給に換算すると悲しくなるため計算しない先生ばかりです。
労働基準法が定める時間外手当や休日手当と比較するとかなり低い支給水準です。また、放課後や休日であっても4時間に満たなければ部活動手当は支払われませんので、部活動はボランティアと変わりません。
についてもまとめています。
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