⇨精子の質を上げるために知っておくべきこと[前編]では、精子の質とは何なのかについて紹介してきました。不妊治療には精子の「妊娠させる力」というものが大切になりますが、後編では精子が減少したり衰えたりするメカニズムと、精子の妊娠させる力を衰えさせてしまうNG行為についてお話ししていきます。
精子の形
精子は運動量や質量以外にも、形が違うことをご存知でしたか？精子は男性の身体の中で、１日に１億個近く作られていると言われています。毎日新しい精子が作られているので、その形も様々で、大きさも異なります。細長い精子もあれば、先頭部分が平べったい精子もあります。正常な形ではない精子を「奇形精子」と言いますが、この奇形精子が96％以上存在している場合、「奇形精子症」の可能性があります。
正常な人でも奇形精子というのは多数存在していますし、実際のところ正常な形をした精子というのは非常に少ないんです。特に「先頭部分」の形がきれいでない精子は、妊娠させる力が弱いとされています。 
年齢と精子の数
年をとると、精子の数って
少なくなるの？
はい。男性の身体も女性の身体も、一般的には年齢とともに老化していくものです。ターニングポイントとして35歳と言われていますが、そこを境に精子をつくる機能も低下していきます。結果、精子の劣化につながるということです。精子は男性の身体の中で毎日つくられていますが、やはり若い世代の方が精子の質も、運動率も良い場合が多いです。しかし、年齢が若いからと言って全ての人が子どもができやすいとも限りません。近年では、20代で不妊治療を受ける人が増えているのが現状です。それは食生活やストレスが不妊に深く関係していることを意味しています。つまり、妊活には年齢よりも環境や生活習慣が大切だということです。
でも、不妊治療を受けるのは
抵抗があるな。
そういう方は検査だけでも受けてみるといいかもしれません。自分の体のメンテナンスのきっかけにもなりますし、定期的に検査をすることで病を早期発見することも可能です。
NG行為
精子の向上を妨げるものとして、喫煙は即刻止めて頂きたいです。体に悪影響をもたらすことで知られていますが、ストレス発散になるからとなかなか煙草を止められない人が多いです。しかし、喫煙というのは自分に害を与えるだけではなく人にも害を及ぼします。そして、致命的なのは遺伝子の損傷につながるということです。
遺伝子の損傷ってなに？
病気になりやすいの？
もちろん、喫煙を続けていると病気になるリスクはひとよりも高くなります。しかし、問題なのはたばこがもたらす身体へのダメージです。煙草を吸っている人は、同年代よりも老けて見える。というのは多くの方が聞いたことがあると思います。遺伝子損傷というのはそういうことです。人がゆっくり老いていく中で、煙草を吸う人はものすごいスピードで年をとっていきます。身体の老化というのは身体能力の低下を表しています。つまり、喫煙により身体が衰えることで精子の能力も低下し、不妊の原因となるのです。
煙草を止めるとストレスが溜まって、逆に身体に悪いと考えている方。それは始めだけです、禁断症状が起こって身体が不調になるのをじっと堪えていれば、いつか身体から有害物質が抜けていき、しだいに身体は回復していきます。 
男性に必要な栄養素
スッポンやうなぎ、山芋からマムシまで、男性の精力増強にはたくさんの食材が勧められています。これらの食材は「強精料理」と呼ばれ、性機能向上に効くとされています。しかし、ここでいう「精力」とは、あくまでも“生きる力”のことであり、精神や肉体の状態を高めることを指しています。結果的には性機能に影響があるかもしれませんが、直接的に能力向上に影響することはないと言われています。
その中でも、男性機能に良く効くとされている食材があります。それが“牡蠣”です。セックスミネラルと言われるほどの牡蠣には、ミネラル、ビタミン類、亜鉛など、精力を高めるとされる成分が多く含まれています。現代においては、精力増強ドリンクなどが手軽に手に入るため、わざわざ食材に頼ることもないのかもしれませんが、健康的に、家庭的に摂取するという面においては、最も適している食材と言えます。
精力を上げるために必要な食材
〇青魚
〇赤身肉(動物性たんぱく質)
〇オクラ(野菜)
〇くるみ(素焼き)
⇨【妊活中に夫婦で食べたい、精のつく食材】では、妊娠するために必要な女性側の栄養素についても話していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
まとめ
不妊治療といえば女性ばかりに視点がいきがちです。しかし実際には男性と女性の双方に原因があり、その二つの改善が必要になってきます。今回紹介したように、質の良い精子に関しては、生活習慣や年齢、先天性の病気など様々な原因が隠れています。自分では判断できないものもあるでしょう。不妊についてお悩みの方は、検査から見直してみてください。
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