悲惨な交通事故、防ぐことはできた?

学校・教育

車を運転していると、突然歩行者が飛び出してきたり、ふらふらする自転車に「ヒヤリ」とした経験をしたことある人も多いのではないでしょうか?私の勤めていた学校では自転車の交通事故が多く、生徒がたびたび車と接触事故を起こしていました。

そもそも日本全国の交通死亡事故というのは、統計的に2時間に1件の割合で起こっているそうです。年々減ってきているとはいえ、いつ自分が巻き込まれてもおかしくない確率ですよね。過去に、交通事故に巻き込まれた生徒がいました。その時まで、私は交通事故の恐さについて、しっかりと理解できていませんでした。今回はその時の話をします。 

朝の第一報

朝8時過ぎに学校に到着し、前日にやり残していた仕事と当日の授業準備をしていた時、職員室に一本の電話が入りました。電話をとったのは2年生の学年主任、この時間帯なら休みの電話かな?と耳を傾けていると、電話対応している主任さんの様子がみるみる変わっていきました。普段穏やかな主任さんの焦った様子に、私を含め周りの先生方も様子が気になり始めました。

電話をきった主任さんに「どうしたんですか?」と先ほどの電話の内容を聞くと、

担任
主任

生徒が事故に遭った。

ひどい状況らしい・・・

と衝撃の一言。事故に遭った生徒というのは今までも何人かいました。なにせ交通事故の多い学校だったので、朝の時間帯の電話は大抵事故の連絡がくるのです。しかし、主任さんの様子からして、今回の事故はそうとうひどい状況のよう。周りの先生方も覚悟を決めた様子で、とにかく現場に行こうということになりました。

事故状況

事故現場に行ってくれた先生の話によると、どうやら部活の朝練に遅刻しそうだった生徒が自転車でスピードを出し、トラックと衝突したとのこと。生身の人間がトラックみたいな大きなものと衝突して無事なわけがありません。

生徒を見ていた通行人が助けを呼んでくれて、すでに生徒は病院に運ばれた後みたいでしたが、現場にはもの凄い量の血が流れていたそうです。現場は曲がり角で、ほとんどノーブレーキで突っ込んだ状況でした。 

生徒の状態

その後、授業の入れ替えを行い、生徒指導の先生が病院に向かいました。

生徒の状況は”肺挫傷”に”脳挫傷”と、生きていることが不思議なくらいにボロボロな状態で病院に運ばれました。病院の先生の話では、

医者
医者

身体へのダメージが大きすぎます

もってあと二日でしょう…

と言われたそうです。すでに保護者が駆けつけていましたが、医師の話を聞いて二人とも愕然としていました。自分の子どもの命があと二日と言われて、動揺しない親はいないでしょう。現場に駆け付けた先生も、かける言葉がなかったそうです。

学校現場

学校では緊急会議が開かれて、生徒の今後の対応について話し合われました。今回の事故に関しては、周りに言わないでほしいという保護者の希望もあったので、事故の詳細については生徒に言わないことになりました。しかし、生徒たちも不穏な空気を感じたようで、事故に遭った生徒と仲良くしていた子たちは、なにやら落ち込んでいる様子でした。大人が話さなくても、子どもは敏感に感じとるものですね。

担任の先生は動揺し、その後の容体についてかなり心配していました。仕事はしながらも、心ここにあらずという状態が続き、さすがに周りの先生方が心配して声をかけていました。

タイムリミット

医師が告げた2日という期限が過ぎましたが、生徒の容体は変わりませんでした。肺にも脳にもダメージがありながらも、なんとか持ちこたえ、タイムリミットを乗り越えることができたのです。その後も、医師や看護師による必死の治療のおかげもあってか、回復の兆しがみえてくるようになりました。ただ、たとえ回復しても、脳へのダメージは覚悟しておいてくださいという医師からの言葉に、家族は手放しで喜ぶことができなかったそうです。

その後の様子を聞けたのは、事故から1か月たった頃です。担任の先生から、生徒の意識が戻ったと教えてもらいました。最悪の事態は免れ、心配されていた脳へのダメージもなかったことを聞いて、その場にいた先生は安堵の表情になりました。本当に、若者の回復力というのは凄いですね。

その後の話

生徒は意識を取り戻してから、みるみる回復し、事故から3か月後には退院しました。一時は命の危機にさらされながらここまで回復できたことは、まさに奇跡だそうです。学校にも通学できるようになり、クラスの子たちと無事再会することもできました。その後はみんなと同じ、何気ない日常を送ることが出来ました。

事故にあった生徒いわく、本当に一瞬の出来事で、当時何が起こったのかあまりよく覚えていないそうです。ただ、あのまま死んでいたらと思うと、ゾッとすると言っていました。今は生き返ったと思って、人生を楽しみたいと話していたことを覚えています。 

まとめ

事故に遭った生徒も言っていましたが、交通事故は本当に一瞬の出来事です。そんなあっという間のうちに、命を落とす人もいるのです。今回の話では本当に悲惨な事故だったにも関わらず、奇跡的に助かることができました。しかし、これを奇跡で終わらせるのではなく、これからの教訓とするために今回まとめさせてもらいました。私自身、車を運転するので、歩行者や自転車には十分注意して走行するようにしています。それでも、どうしても「ヒヤリ」とする瞬間は経験します。

交通事故は起こるもの。そういう心持ちで今後も安全運転をしようと思います。

tami
tami

軽くトラウマになっている

⇨生徒を泣かせてしまった話

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