⇨【⑤手術本番】でようやく無事に手術が終わり、安心したのもつかの間、ここからはお尻の痛みとの闘いが待っていました。痛みがあっても傷口のケアは欠かせません。ダメな出血の仕方や排便について紹介していきます。
手術後1日目
朝、看護師さんが病室に来て、尿の管を抜いてくれます。カテーテルが無事に抜ければ、トイレと洗面所の往復が許されますが、まだこの日は病室内で安静に過ごしてくださいと言われました。実際のところ、お尻が痛くて病室からは出る気力がありません(笑)
その後、温かいタオルで体を拭いてくれます。術後の痛みで体中汗をかいていたので、看護師さんに体を拭いてもらうのは気持ちが良かったです。ただ、体拭きは朝の一度だけなので、お風呂に入れず気持ち悪いな、と思った時は持参のボディーシートで代用しました。
水は1日1.5リットル
以上飲むように
してくださいね
と事前に言われていたので、手術前に病室に用意しておきました。無くなったら自販機に行く、というのは1日目だと辛いと思いますので、事前に飲み物を用意しておくことをおすすめします。
食事は朝から普通に食べることができます。病院によってはおかゆ系の優しいものが出るそうです。
術後、最も心配な排便ですが
術後1日目は排便
ないと思うよ
と言われていましたが、1日目からありました(笑)しかしほとんど水のような排便です。たぶん前日の下剤の効果で、大腸に残っていたものが出てきたんだと思います。夜中からお腹がごろごろしていたので(笑)ほぼ水分で固形物がなかったため、痛みはありませんでした。が、清潔を保つためのウォシュレットは激痛ですので術後の排便は覚悟しておいてください_(:3」∠)_
手術後2日目
術後からこの日までは、毎朝点滴を行います。
何かしらの輸液と抗生物質を1時間半ぐらいかけて点滴していきます。また、病院内を自由に歩くこともできるようになります。そして待ちに待った入浴も解禁されます。術後の様子をみて、出血がある場合は次の日に持ち越されるそうです。
私の場合は、お尻に【ガーゼ&ドレーン】が埋め込まれている状態だったので、入浴できないかもしれないと言われていました。しかし、ガーゼをとっても出血が無かったので、この日はシャワーだけ浴びることが許されました。このガーゼを取るのが本当に激痛で、看護師さん2人がかりで押さえてもらいました(;´・ω・)
この日はガーゼがとれたことで少しお尻の違和感が減りましたが、ドレーンが入っているせいで寝返りをうつたびに痛かったです。
※ドレーンは、私の膿が奥まで進行していたために仕方なく埋め込まれていたものです。通常の痔ろう手術の後であれば入っていないのでご安心ください。ちなみにドレーンはこの翌日、無事に抜いてもらえました。痛かったです_(:3」∠)_
3日目以降は朝の検温、食事、診察、入浴を繰り返すだけで、特に変わったことはありません。退院が近づくにつれて徐々に痛みも治まり(座るのは痛いです)、トイレも楽になっていきます。
排便について
順調にいけば、術後2日目から排便が始まります。術後の排便なので、傷口が広がって出血したらどうしよう、やっぱり痛いだろうな、と思っていましたが、病院から処方されている薬に【便を柔らかくする】効果のものがあり、おかげで比較的スルスルと難なく排便することができました。
便を柔らかくする薬(左)は毎食後飲みます。横の2つの薬は、痛み止めと胃薬で朝夕と飲んでいました。便がなかなか出ない(通常1日1~3回)、という方は”薬を飲むときに多めに水分を摂る”と、排便しやすくなります。
水分をたくさんとって
いないと固い便になり
排便時に痛むので、
水分はたくさん
摂りましょう♪
また、排便に関しては”いきみ”は禁物です。長くいきんでしまうと腫れや出血の原因になるため、便がしたくなってからトイレにいくようにしてください。排便は長くても3分以内で切り上げます。これは痔ろう患者でなくても言えることなので、私生活に戻ってからも習慣にしてください。
出血
術後はお尻にガーゼを当てているのですが、これについている出血の種類によって、すぐに医者や看護師に知らせる必要があります。
正常な出血
術後しばらくは、淡い出血(スイカの汁のような色)が続きます。厳密には出血ではなく”浸出液”というもので、傷を治そうとする体の正常な反応なので心配しないでください。出血の色は、淡い出血⇨薄い黄色へと変化していきます。
ダメな出血
ガーゼに真っ赤な血がついていたり、赤黒い血のかたまりがついている場合
すぐに医者か看護師
を呼んでください
なんらかの理由で傷口が開いてしまっていますので、すぐに処置が必要となります。また、便器が真っ赤に染まっていたり、排便後にお尻からポタポタと血が落ちてくる場合も同様です。すぐに医師か看護師に相談しましょう。
入浴
術後3日目から、1日2回を目安に入浴します。普段生活している時よりも多いと思いますが、これには以下の理由があります。
- 傷口を清潔にすることで、治りが良くなる
- 腸の働きを良くする
- 痛みを和らげる
傷口に関しては、肛門付近ということもあり、清潔を保つのが難しい場所になります。排便の度にウォシュレットで綺麗にするといっても、限界があります。そのため1日2回入浴し、患部を清潔にすることで傷の治りが良くなります。
ゴシゴシ洗っちゃダメ!
また、体を温めることで腸の働きが良くなるだけではなく、血行が良くなることで筋肉の緊張が緩みます。これによってお尻の痛みが和らぎますので、積極的にお風呂に入ってください。ただ、⇨【④入院準備と手術準備】でもお話していますが、お風呂上りに一般的なタオルで患部を拭くのは痛いので、柔らかいタオルを準備しておくことをおすすめします。
術後の病院生活はざっくりこの様な感じです。とにかくお尻をいかに清潔に保つか、それが傷を早く治す近道なので頑張ってください。
職場復帰
退院してからも一週間は
安静にしてもらいます
痔瘻を始め、切れ痔やいぼ痔などのお尻の疾患については、手術して退院してからも一週間は自宅安静を求められます。正直退院できてもお尻が痛いので長時間座ったり、歩いたりできません。病院によって入院期間などは異なりますが、切開手術をする場合は、手術日から2週間(14日程度)は仕事にならないと思ってください。あまり無理をして出血するとまた処置が必要になりますので、退院後一週間程度は大人しくしていましょう。どうしても仕事に復帰する場合は、時短や同じ姿勢をとらない仕事にするなど、お尻に長時間負担がかからないような環境にしてもらいましょう。
完治に関しては医者から2、3か月と言われていましたが、実際には3か月が経過して完治のお墨付きをもらってからもお尻に違和感が残っています。お尻の術後状態については⇨【痔ろう手術後3か月経過した肛門状態】で詳細をまとめいます。
最後に⇨【痔ろうになりやすい人と予防法】で間違った治療法やNG行為についてまとめています。
=== 痔瘻闘病記【目次】===
①痔ろう闘病記
②クリニックから大きな病院へ
③三度目の正直【入院費用の内訳】
④入院準備と手術準備
⑤手術本番
⑥手術後の入院生活
⑦痔ろうになりやすい人と予防法
【特別編】
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