晩婚化が進むにつれて、不妊治療をする夫婦も増えてきています。不妊治療が当たり前になりつつある社会にしては、不妊治療についての情報が少ない気がしています。情報が少ない中で治療を開始してしまうと、後から「こんなにお金かかるの?」「これっていつまで続くの?」と予想していなかった負担に、治療を断念することになります。そこで今回は、不妊治療を始める前に知っておきたい、不妊治療の辞め時について考えていきたいと思います。不妊治療は、「出口のないトンネル」と例えられることが多いですが、出口が無いのなら自分で作ってしまえばいいのです。結果的に自分の望む場所には出られないかもしれませんが、夫婦共倒れになってしまっては意味がありません。辞め時を決めることは、夫婦生活を円滑に進めるためにも必要だと思います。
生活防衛資金の確保
”治療”というぐらいですから、国から補助がある程度出ます。しかし、本当にある程度です。本来の医療行為の補助とは異なるため、治療費のほとんどが自費になることが多いのが現状です。例え”いくらお金がかかっても子どもが欲しい”と願ったとしても、この問題から目を背けることはできません。例え気持ちが強くても、お金が無ければどうしようもありません。夫婦によっては、実家の両親にそれぞれ負担してもらった。という家庭もありますが、始めから援助を期待して治療していては上手くいきません。本当に最終手段として援助をお願いすることはしょうがないと思いますが、まずは夫婦で貯めた資金で治療をどこまで行えるか計画していきましょう。
何百万円と費用がかかると
言われたけれど、実際のところ
どれくらい用意すればいいの?
これに関しては、治療内容や受診する病院、そして治療期間によって差が激しいため何とも言えないところです。だからこそ自分で貯金額を把握し、治療を開始する必要があるのです。「生活していくためにこれだけは必要」「何かあった時のためのお金」など、絶対に手を出してはいけないお金は残しておいて、それ以外の貯金がどれだけあるのか把握します。使っても良いお金に余裕があるうちは治療を続ける。と決めておけば、治療に専念できるますし、限界が見極められます。
助成金の限界
例えお金があったとしても、長く治療を続けることは、夫婦の精神的にもきついものがあります。常に治療をする生活というのは、やはりそう長くは持ちません。不妊治療を長く続けている人の中には、「助成金の回数」で治療の辞め時を考える方も多いようです。助成金の限度回数が6回だとしたら、6回目で終了する。
回数を決めてしまうと、
あと〇回しかないという
プレッシャーを感じない?
確かに回数で決めてしまうと、「あと〇回」というプレッシャーはついて回ります。そういう方は、回数の上限が「終了」と考えるのではなく、「区切り」と捉えてみてはいかがでしょうか?とりあえず助成金の上限までは全力で走り切り、そこまで走り切ったら一旦休憩して計画を立て直す。考える機会や休憩する機会を意図的につくらなければ、走り続けて疲れてしまいます。
共に走り切れる限界
お金の制限や区切りについては、精神的な負担を軽減させるために重要になってきます。治療が長引けば長引くほど、終わりのない治療に嫌気がさして精神的に病んでしまいます。成果が出ないのにお金だけが出ていく。この状況に耐えられる人はそうそういません。お金の限界をもとに自分たちでゴールを決めることは、自分たちを守ることにもつながります。夫婦で話し合い、どこまでなら共に走り切れるかを事前に話しておきましょう。
年齢で辞め時を決める人
も多いようです。
夫婦の中には、妻の年齢が35歳までは治療するという方が多いです。これは、女性の妊娠率が35歳以降低くなることが関係しているでしょう。お金がいくらでも使えるという家庭はいいかもしれませんが、ほとんどの家庭は限界があります。確率の高い時期に集中して治療して、それでダメなら辞める時も諦めがつきやすいかもしれません。
いつかはやめるもの
不妊治療はいつかはやめるものです。成功しても失敗しても、治療はいつか終わります。自分だったら成功するまで諦められないという人もいますが、現実問題。不妊治療に関しては続けたら「いつか必ず報われる」というものではありません。成果が出ずに泣く泣く諦めてきた人たちがたくさんいる世界です。
予算を決めて、期間を決めて、走り続けられる時期を決める。なにかしらの基準を自分たちで決めて、どこかで折り合いをつけなければいけません。いつかどこかで諦めるしかないんです。
まとめ
世の中子どもが全てではありません。不妊治療をしている時には、妊娠や出産のことで頭がいっぱいになるかもしれませんが、それが全てではありません。もしも成果が出ないときには、子どもが自分の人生の全てだ、という考えは捨てて、新たな人生を歩んでいかなくてはいけません。どれだけ辛くても、どこかで区切りをつけて歩き出すしかないんです。人生において、これが全て、ということはないと思います。自分とパートナーの人生、それを幸せに過ごせる方法はいくらでもあるのではないでしょうか。
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