投資家にとって、自分の資産を守る力というのは必須スキルです。お金を持っていると、たくさんの人に狙われてしまいますからね。私はまだ狙われる域には達していませんが、投資の勉強をしていると、「ポンジスキーム」という聞き慣れない言葉を良く目にしました。
よく調べていくと、どうやら投資詐欺のほとんどがこの「ポンジスキーム」を利用したものだそう。それならば対策をしておかねばと思い、今回まとめてみました。
ポンジスキームとは
ポンジスキームとは、投資の「高配当」をうたい文句としてお金を集める詐欺の手法です。
この方法では、新規顧客が投資として預けたはずのお金が、「配当」として既存の顧客に横流しされます。偽りの配当ではありますが、顧客はあたかも本当に資産運用されているかのように思ってしまいます。
ポンジスキームはねずみ講とよく混同されますが、ポンジスキームでは詐欺集団と既存顧客だけが得する仕組みなのに対して、ねずみ講は上の階級だけが得する”ピラミッド構造”なので、両者は異なります。ポンジスキームの過去の実例としては、ナスダック事件、Bitclub事件などが有名です。
ナスダック事件
ナスダック事件とは、ナスダック元会長のマドフ氏が行ったポンジスキームとして有名です。富裕層が主なターゲットとなり、被害額は約6兆円といわれており、野村証券などの企業も被害にあいました。
ナスダックの会長といえば”超”がつくほどのエリートですが、そんな人が「25年」もの長い間詐欺行為をしていたというのですから驚きですね。マドフ氏は、自身で設立した「マドフ投資会」という投資グループの中で不正にお金を集めていましたが、そこには細かなテクニックが使われていました。
全員を受け入れずに、
たまに断る
ここがポイントです。窓口が誰にでも開放されていないことで、顧客に安心感と特別感を持たせることが狙いです。資産運用をするうえでレア感や特別感というものは魅力的ですからね。
ナスダック事件では野村証券などのいわゆる”金融のプロ”まで引っかかっています。このことから史上最大のポンジスキームと言われています。
Bitclub事件
Bitclub事件は、2014年から運営されていた詐欺グループにより行われていました。Bitclubに出資すると配当がもらえるという仕組みで、被害額は約800億円にのぼりました。5年後には運営者3人が逮捕されましたが、現在でも調査が進行中であり解決していません。
企業レベルの設備を投入していたともいわれますが、基本的には定番の”紹介制”を採用しており、その存在はネットワークビジネス関係者によって広まりました。その情報を手にした人だけが投資をして儲けることができるという特別感に、飛びつく投資家も少なくありませんでした。
実際この事件は日本ではあまり話題になりませんでしたが、その被害額の大きさから有名なポンジスキーム事件として知れ渡りました。
ポンジスキームの特徴
●元本保証
●紹介制
●高利回り
●勧誘者の経歴不明
以上の4つがポンジスキームで気を付けておきたい特徴です。
資産運用では本来あり得ない「元本保証」ですが、投資した額以上に損失が出た場合は会社が補償することで元本保証をうたっていますが、ここには「会社が倒産する」という大前提が抜けています。この事実を隠した上で元本保証をうたっている投資案件があれば注意してください。
人を紹介すると報酬がもらえる。これは逆をいえば「紹介制が無ければ普及しない投資案件」ということです。本当に良い投資案件であれば、遅かれ早かれ自然と広がっていくものです。もしもあなたに疑わしい投資案件が届いたら、まずは紹介制であるかを確認しましょう。
利回りが異常に高いのは要注意です。あなただけに特別、今だけ、といううたい文句やキャンペーンがありますが、投資の世界には「相場」というものがあります。その相場からかけ離れた利回りであればその投資案件は疑いましょう。「高配当」という甘い言葉には裏があります。相場がわかっていないうちは手を出さない方がいいでしょう。
勧誘者の経歴については調べる方法があります。今やGoogleやTwitterなどのネット検索で大抵の情報を手に入れることができます。企業や勧誘者の名前検索をしてサイトが存在しない場合や、普段活用されていないアカウントばかりで宣伝している場合は要注意な投資案件です。
まとめ
投資家に対する詐欺のほとんどがこのポンジスキームといわれています。資産運用しているつもりが、まんまと詐欺師の良いカモになっているなんてこともあります。詐欺に関してはいくら警戒しているつもりでも、どれだけ投資のベテランでも関係ありません。どれだけ詐欺を勉強して警戒しても新手の詐欺は生まれるし、ベテランであればあるほど資産を守るスキルが必要になります。今後も資産運用をしていこうと考える方は、自分のお金を守るスキルを磨いていきましょう。
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