患者さんのなかには、看護師の言うことは頑なに聞き入れないが、医者の言うことならば素直に聞き入れるという方が結構います。まぁ、気持ちはわかりますが、入院して治療している以上、従って頂かないと困る場面は多くあります。
そんな方にはもちろん腰を据えて説明させてもらい、納得していただくわけですが、困るのが認知症の患者さんです。
「こんなに多くの薬を飲めるか!!」
→入院前から何年も薬の量は変わってないのに・・・
「家に帰らせろ、訴えるぞ!!」
→昨日大きな手術をしたばかりなのに・・・
「こんなもん(点滴)いらん、食べたいもの食べさせろ」
→腸閉塞で入院したんですよ?
など、例を挙げればきりがないです。そんな時に、私のこと「医者」と勘違いしている患者には、そのこと利用します。そうすると
「先生が言うなら仕方ないか・・・」
「やっぱり先生は違うね、あの女どもは説明もしてくれんわ」
と、受け入れてくれることがあります。
看護倫理的にはギリギリですが、
・確実に治療を受けてもらう、安全に療養生活を送る、という目的があること
・患者が不快を受けていないこと
・積極的に自分から医者だと名のっていないこと
を理由にセーフだと判断しています。師長にも相談しましたが、同様の判断でした。
それでもやっぱり心が痛みますね・・・
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