高校生をカモにする業者

お金

学校ではたくさんの業者が出入りしています。教材関係や施設設備など、業者はさまざまですが、中でも生徒と接触する業者については慎重に選びたいものです。私が数年前に外部指導コーチとして契約した学校では、部活動で使う道具を生徒自身が業者と直接やりとりしていました。今回はそこで起こっていた、高校生をカモにする業者のお話です。

学校と業者の関係

外部指導コーチとして教えることになったのは、とある公立高校の部活動でした。部活の指導もやりやすく、生徒もみな真面目に部活動に取り組んでおり、指導者として彼らを教えることができることに喜びを感じていました。

その部活では、生徒一人一人が入部と同時に自分の道具を揃える必要がありました。一般のスポーツ店ではその道具を取り扱っているところが少ないため、学校が業者を呼びその業者から直接購入するという形をとっていました。他の学校でもよくあることなので、始めは対して気にもとめていませんでしたが、業者の人と話すうちに、ある違和感を覚えました。

特殊な加工

外部指導コーチとしてこれから顔を合わせることもあるだろうから先に挨拶しておこうと思わった私は、業者の方が学校にいるタイミングで挨拶させてもらうことにしました。とても気さくで話しやすく、第一印象は”優しい親戚のおじさん”という感じでした。話していてもとても親切だし、きちんと道具の管理もしてくれているみたいだったので、これなら安心して任せられるかなと思っていたのですが、その業者はとんでもないぼったくり業者だったのです。

挨拶から少しした頃、業者から私に話があると聞いて時間を作りました。話というのは、新しい新商品についてのことでした。どうやら新しく作った商品を買って、生徒の道具に加工すると部活動の成績がアップするとのこと。

うーん。そういう余分なものに

あまりお金はかけたくないな

というのが正直な感想でした。部活の成績が道具の性能でアップしても何も嬉しくないし、何よりそんな勝ち方を生徒にしてほしくありませんでした。お金をかければ勝てるなんて、そんな勝利は生徒たちに意味が無いと感じた私は、業者にやんわり断りをいれます。

特殊な加工をすると成績がアップするというのも納得がいかなかったし、話の内容的にも、肝心なところは教えてもらえなかったです。そもそも、道具を加工して勝てるようになると言っていましたが、本当にその加工が効果あるのなら、大会の規定などでひっかかるはずです(試合前には、道具に細工をしていないかチェックが入ります)。そこに関して聞いてみましたが、はぐらかされて明確は回答はもらえませんでした。

生徒からの相談

そんなことがあってからしばらくした頃、生徒の一人から相談を受けます。

生徒
生徒

先生、業者の人が道具の加工を

勧めてくるんですけど、あれ

についてどう思いますか?

まさかと思った私は、生徒の何人かを呼び出しました。すると呼び出したほとんどの生徒が業者から例の加工を勧められて、すでに加工済みとのこと。代金は1万円です。3000円からのものもありますが、高いものの方がより効果があると説明され、ほとんどの生徒が1万円という大金を支払っていました。

さらにたちが悪いのが、業者が声をかけた生徒というのが、もともと成績の高い生徒。その子たちであれば、道具を加工していなくても十分良い成績が出せます。しかし、部活の子たちはその”例の加工”をしてもらったおかげで、その子たちが良い成績を収めているんだと勘違いしてしまいます。その口コミはあっという間に広がり、業者に自ら加工をお願いする生徒まで出てきました。

このままではまずい!と思った私は、すぐに顧問に相談し、これまでの経緯を話しました。

担任
顧問

それは困った。昔からつながりのある

業者さんだから安心していたのに…

実際、お金も絡む業者とのやりとりを、直接生徒たちにさせるのはどうかと思っていたそうですが、昔からお世話になっている業者だったため、顧問も安心して任せていたそうです。

生徒に説明

私は急いで生徒たちを集め、今回の件について話をしました。道具の加工について、なぜ成績が上がるのか、きちんとしたメカニズムを説明されていない生徒がほとんどで、よくわからないものにお金を支払うことのリスクについて話をしました。道具に頼らずに、己の実力を磨くことの大切さについても話をし、今後の対応についてはこちらで任せてもらうことになりました。

当然、私の知り合いの業者に話を聞きましたが、「本当にそれで勝てるようになるなら大会なんかで使えないでしょう」と教えてくれました。他のスポーツでもそうですが、競技の中で争われるのは選手の実力であり、道具の性能ではありません。大きな大会ではあまりにも性能の良すぎるシューズや水着なんかは使用禁止になってきました。大会で禁止にならない、つまりはそれほどの効果はないと証明されているようなものです。ちなみに大会前のチェックについては、わずかな印でも不正とみなされるほど厳しいものです。

生徒にもそのことを話すと、みな真剣に話を聞いてくれて、各々が理解してくれました。生徒の中には親に無駄なお金を払わせてしまった、と後悔している子もいました。人によってさまざまな考え方はあるかもしれませんが、高校生に1万円のものを売りつけるには、それ相応のものである必要があります。高額で不確かなものを彼らに直接売りつけるなんて、悪徳すぎます。顧問と相談した結果、そこの業者とは契約を止めることになりました。

謝罪

後日、業者の方に直接電話をして契約を止めさせてほしいと顧問から連絡しました。当然向こうは焦ったそうですが、”例の加工”についての話をすると納得されたそうです。外部コーチ(私)に一度断られたのに、今度は生徒に直接話を持ち掛けるなんておかしくないですか?と顧問は詰め寄り、業者もその件については申し訳なかったと謝罪してくれました。

それ以降、その業者の代わりに契約してくれるところはすぐに見つかり、また安心して部活動を行えるようになりました。どうやら、他の学校でも同様に被害があったらしく、顧問の先生たちの間で注意喚起がされたそうです。”例の加工”以外は、本当に良い仕事をされる業者だったので、本当に残念ですが、これからはもう少し高校生向けのお仕事をしてもらいたいものです。

tami
tami

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