各分野で活躍されている認定看護師さん。
どんな分野があるのか、どれくらいの数の方が認定看護師としての資格を持っているのか調べてみました。
「認定看護師制度は、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかることを目的としています。」
日本看護協会HPより
とされ、2015年の報告では14.172人の認定看護師が活躍されています。
内訳は以下のようになっており、分野によってかなり偏りがあるのが現状です。
感染管理 | 2.053 |
皮膚・排泄ケア | 2.040 |
緩和ケア | 1.641 |
がん化学療法看護 | 1.282 |
集中ケア | 939 |
救急看護 | 921 |
がん性疼痛看護 | 741 |
糖尿病看護 | 642 |
摂食・嚥下障害看護 | 521 |
脳卒中リハビリテーション看護 | 494 |
認知症看護 | 472 |
訪問看護 | 438 |
新生児集中ケア | 341 |
手術看護 | 314 |
乳がん看護 | 244 |
小児救急看護 | 208 |
慢性心不全看護 | 184 |
透析看護 | 182 |
がん放射線療法看護 | 177 |
慢性呼吸器疾患看護 | 171 |
不妊症看護 | 137 |
認定看護師になるための条件は
・5年以上の看護師経験があること
・そのうち3年はその認定分野に関わる看護に実務していること
これを満たせば受験資格は得られますが、実際には勤めている病院毎にさらにルールがあるのが一般的なようです。
・院内の認定コースを受講する
・○年以上の実務経験
などです。
そして受験資格が得られたのち、
認定看護師教育機関へ受験→教育課程の修了→認定審査試験で合格で資格取得です。
これは認定さんからの経験談ですが、教育課程の最中はとにかく忙しくて働いたりアルバイトすらする余裕はないとのことでした。
ですから、多くの場合は病院が補助金を出してくれます。
入学金+月々の基本給 などなど
では病院からすると、認定希望者にお金を出してどんなメリットがあるのでしょうか
- 認定看護師がいることでさまざまな加算が得られる
- 病院の売りにでき、患者を引き付けることができる
- 認定取得できるシステムがあると、看護師の求人に対する募集が増える
などです。
取得する側としても
- 好きな分野に関わることができる
- 看護師としてのスキルUPにつながり、将来への選択肢が増える
というメリットがありますが、残念ながらデメリットもあります。
- 補助金を出してもらったので、数年間はご奉公の期間がある。しかも場合によってはボーナスがカットされることもある。
調べていて、これは驚きました。ある程度のご奉公期間(転職できない)があることは予想していましたが、ボーナスまでカットされる場合があるようです。
これだと、補助金というか、給料の前借りではないか・・・?
- 認定看護師になっても給料はほとんど変わらない。増加した業務量で考えれば、むしろマイナスになる
ある認定看護師さんの言葉で「認定看護師なんて自己満足だよ」というものがありました。これは過剰表現ではなく、現在の認定看護師が置かれている現状を表した言葉といえるでしょう。
認定看護師として病院から任された仕事に加えて、その分野で困ったことがあれば院内中から相談をうけることになる。さらに、医師に対しても同等以上の立場で意見しなければいけない。
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