「看護師として働いて10年になるけれど、ストーマなんて初めて見た!!」
他部署から消化器病棟に異動になった先輩看護師さんの言葉です。
話を聞くと、異動してきて戸惑った看護ケアの一つが消化管ストーマの管理とのことでした。
新人の頃から消化器病棟で働いていた私は、採血や吸痰といった一般的な看護技術と並行してストーマケアを学んできたので、すごく新鮮だったことを覚えています。
といっても、ストーマケアはとにかく奥が深くて難しいです。
ストーマの状態は人の顔のように千差万別で、一人として同じアクセサリー・ケア方法で対応できる患者はいません。
採血や吸痰は、ある程度の数をこなせばすぐに自立することができました。しかし、ストーマに関しては毎回分からないことばかりでした。先輩に相談しても、その先輩も分からず、結局はパウチ交換の度に院内のWOCさんに頼ってしまっていました。
「やばい!臨床で学ぶだけではいつまで経っても一人前になれそうにないぞ!」
と危機感を抱いた私は、師長に頼み込んで、ストーマリハビリテーション講習会に参加しました。
この講習会は、みっちり3日間、ストーマの基礎から実践を学ぶことができる講習会です。この講習会を修了してある一定の基準を満たすと、ストーマサイトマーキングをすることで加算をとることができます (人工肛門・人口膀胱増設術前処置加算)。
これだけやれば嫌でもストーマケアできるようになるわ、という位の超過密スケジュールでの講習が朝から晩まで続きました。
座学だけではなく、実際にストーマサイトマーキングをしてみたり、自分のお腹に模擬ストーマをつけてパウチ交換の演習をしたりしました。
大変な3日間でしたが、この講習会のおかげで、ほとんどのストーマに関しては自信を持って対応することができるようになりました。
この講習に参加してみて感じたことは、
「これくらい腰を据えて学ばないと、実際の臨床ではストーマケアをおこなうことができない」
ということでした。
どれだけ実際にWOCさんに介入してもらいながらパウチ交換をしても、その患者のストーマしか対応できるようになりません。
基礎を理解して、根拠をもったケアを、自信をもって提供するためには、臨床で学ぶだけでは時間がかかりすぎます。
このブログを読んでいるストーマケアに自信がない看護師さんには、ぜひストーマリハビリテーション講習会の受講をお薦めします。
・・・・ちなみに受講料は20000円以上しました。
もちろん、私は自己負担でした・・・・。
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